PLOTTERの創造力を膨らますリフィルに「世界の白地図」が加わった・・・

厚みがあり、ふっくらとした風合いのあるクリーム色の紙にアナログの活版印刷で世界の地図を載せた。しかも、それは陸地の輪郭だけを表現した白地図。

一枚一枚、まるで人の手で版画を刷るかのように、着実に、懸命に、ガシャンガシャンと声を発しながら地図を仕上げていく姿には時に愛おしささえ覚えてしまう。

これがおそらく“ハンコ”と同じ役割を担うであろうとたやすく想像できるマグネシウム版。紙にきちっとした向きで印刷されるようそのエンボスは反転している。昔ながらのもの作りはその原材料の状態からも製品になる姿が理解しやすいものだ。

私の年齢よりも長く、毎日働き続けている印刷機は、今も変わらぬ動きで、積み上げられたリフィルサイズの紙から一枚一枚人の手でつまむように坦々と活版印刷スペースへ運んでいく。その風景はまるで二人の職人が「紙を渡す役」と「紙に刷る役」に分かれ、絶妙に意気を合わせながら仕事をこなしていくように見える。人が活版印刷に温もりを感じる所以がそんなアナログ感にあるとも言える。

厚手で手持ち感がしっかりある紙だからとうだけではなく、活版印刷機で刷られた直後の紙にはどこか熱量を感じ、一点一点表情が異なる革製品の仕上がりに感じるそれと似ているような気がした。

PLOTTERがあえて白地図リフィルに挑戦した理由・・・それは

薄いクリームの地図の余白に思いを馳せ、紙とインクの香りを嗅ぎ、指先でザラついた紙の表面と活版で現れた陸地の線の凹凸感を味わう、そんな二次元の世界に可能性と魅力を感じたから。職人技が織りなすこのシンプルな紙の地図一枚はきっとPLOTTERたちの創造力を豊かにしてくれることだろう。