眺める。書く。持つ。
PLOTTERの地球儀
白地図リフィルを構想した時から、「書ける地球儀」の発想は頭の中にあった。
書く行為は、頭をクリエイティブにするスイッチをONにしてくれる。筆記具で書くためには、対象の紙に触れることになるが、白地図リフィルではより指先の感覚を刺激し、想像力を膨らませることを助長するために、ふっくらした凹凸感のある紙を選び6穴を開けた。
私たち人間がより地球を身近に感じられる瞬間とは・・・の問いに対する一つの答え。それは、地球のミニチュア“地球儀”を眺めているとき。その球体を目にすると、平面のリフィルでは得られない実感、つまり、私たちが地に足を付けて生きている地球をリアルに感じられるのであろう。
そこから、白地図同様、書ける立体の地球儀があれば面白いのでは?という発想から生まれたこの白い地球。実際、どうやって?何に?使うの、という疑問はあるかもしれないが、そこは使う人の自由に任せたい。これから行く場所をマークしたり、今まで行った旅の航路を線で繋いだり、思い出を綴ったり、気になる場所に色を塗ったり・・・
書くこと自体が創造力を生む源でもあるが、その対象物が真ん丸の球体となれば、書きにくさはご愛敬として、何だかいつもと違う脳ミソを使うようで面白い考えが生まれそう。五感をフルに!?刺激する白地図地球儀というわけだ。
この地球儀、見ての通りそのままの“球”。地球儀の常識といえば、軸と台座で固定され、クルクル回し眺めるのが常。ところが、書くことをコンセプトにした地球儀の場合、極端な話、それでは北極や南極にメモしたい人にとってはちょっと都合が悪い。そこで、すべて余分なものを取っ払ってしまい、この斬新なタマになってしまった。
タマはどこまでも転がる。それも机の上に置く際に都合が悪い、というデメリットをメリットに変えてしまったのが“起き上がりこぼし地球儀”という発想。地軸の傾きをちょっと意識しながら、絶妙な位置に重りを内蔵し、“揺らぎ”を与えた、これぞ「眺めて、書いて、持てる地球儀」
奇しくも、昨今の世の中は地球レベルで物事を考えたほうが良いことばかり。自分の手でこの丸い球体を手に取り、触れて、地球を身体で感じることは環境にとってもきっとポジティブな思考を生み出すのでは?
元をたどれば、様々なアイデアを書き、描くことからこのオモシロ地球儀も生まれた。創造の源泉はやはり「書くことにあり」。平面でも、球体でも、とにかく手とペンを使って書いてみること。そこから、新たな閃きが生まれるのはどうやら間違いないようだ。