PLOTTERの革を語ろう
「Pueblo編」
少し前に『PLOTTERが革を使う理由』という似たようなテーマでマガジンを書いたのだが、そこでは本革の奥深い生産背景とそこから生まれるストーリーに魅了されるから革製品に憧れを覚えるとお伝えした。
本革製品が“なんとなくいいね”と直感的に感じる根拠にはもちろん上記のような理由が確かにあると思う。
そして、それをさらに確信に至らしめる話をここ最近でお付き合いのある本革製ソファを扱うメーカーの社長に伺う経験を得た。その社長曰く「本革と人間の肌の“分子”構造が近いから直感的に惹かれるのではないか」と。確かに、同じ動物として皮膚という組織を持ちえた牛や豚や山羊やヒト・・・。ここに“革製品ってなんだかいいよね”の根拠になるカギが潜んでいるのかもしれない。科学的に証明されたわけではないが、こういったロマンを感じながら本革製品を手に取るとこれまでにも増して愛着が湧くというものだ。
さて、そんなことを感じながら「なぜPLOTTERが今あるレザーバインダーの革を選んだのか」を僭越ながら少しだけ披露させていただく。
PLOTTERレザーバインダーとなる以前にこの構造と仕様は、姉妹ブランドのKNOXで「LUFTルフト」というシリーズとして展開していた。その時の革は、すべて国産の革で、ベジタンスムースレザーと型押しレザーを2種類。実はその頃から今のPLOTTER「Puebloプエブロ」の素材には着目しており、虎視眈々と言うべきか、いつかチャンスがあれば絶対にこのバインダーに採用したいという想いは強くあった。
奇しくもその折、このレザーバインダーをフラグシップモデルのひとつに据えるべき新ブランド「PLOTTER」のコンセプトワークは並行して進んでおり、当然Puebloプエブロは採用すべき最優先素材となっていたわけだ。
LUFTで使用していた国内レザーももちろん良く考えられて作られたものではあったのだが、よりレザーバインダーに適した一枚革として、Puebloプエブロは厚み、重み、張り感、色合い、そして何よりも劇的な経年変化を楽しめるその風合いにおいて申し分なく、それどころか私たちの想像の域を超えたエイジング(成長)を見せてくれることに驚いたものだ。
使う人ともに時を刻む本物のレザーと言っても過言ではない「Puebloプエブロ」はまさにレザーバインダーのために創られたのでは!?とまで思わせてくれるこの素材を生み出してくれた本場イタリアの地とバダラッシ・カルロ社に心から感謝と敬意を表したい。
ご存じの通り、PLOTTERレザーバインダーにはまだまだストーリーがたくさん詰まった本革素材がラインアップに控えている。それらを語り始めると長くなるので今回はここまで。次回に乞うご期待。