クリエイティブツールを創り出す
シンプル
①
PLOTTERのプロダクトである“ツール”たちに一貫して言えること、それは“シンプル”であることです。
かつてアインシュタインが、「単調さと孤独は創造性を刺激する」と語ったように、単純つまりシンプルであることは私たち人間の脳を活性化させ、一瞬で“ひらめき”という創造性溢れる芸当を生み出すきっかけを作ってくれます。PLOTTERが創り出すものもまさにそうでありたいと願っています。
そんなシンプルなツールたちが生み出される背景には、実は何人もの匠の技があるのも事実。その代表例として「6穴リングレザーバインダー」の背中に装備されたバックプレートというパーツは職人技の結集なのです。ただの真鍮の棒といえば棒ですが、2mの角柱を真っすぐに削り出す職人、まさにちょうどよい塩梅でロゴを刻印する職人、数ミリのパーツを寸分の狂いもなく鑞(ろう)付けする職人、三種類のメッキを色ブレもなく仕上げる職人、こんなに沢山の職人の手を経てようやく創り出された究極にシンプルなパーツです。
今回はその中の刻印職人をご紹介します。
20センチほどに削り出されたまだ無垢の真鍮の角柱に“PLOTTER”のロゴを刻印していく作業。気の遠くなるような本数を慣れた手つきで次々に機械にセットし刻印していきます。機械がやることだから誰でもできるのでは?と思ってしまいますが、ほんの0コンマ数秒という一瞬で数ミリの違いもなく正確な位置に打ち刻む技は長年培った熟練の技術を要します。
それだけではなく、真鍮材の硬さがどの程度かを吟味し、何度も何度もテストを重ね機械を微調整しながら、角柱が潰れ過ぎず刻印が浅くなり過ぎない、ロゴが最も美しく映える圧力を探しあてて初めて刻印の作業に移れるのです。
シンプルであることは実は複雑であることよりすごく難しい。こういった職人技と幾度も対話を重ね、試行錯誤の連続によりようやく複雑から脱することができ、機能的で美しい本物の“シンプル”が生まれるのですね。私たちはPLOTTERたちがいつまでも愛着を持ち続け、それを使うことで創造力が膨らむ素材や道具を丁寧に、シンプルに、創り続けていきます。