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2023年冬
PLOTTER POPUP STORE
@SAKURANOMIYA LETTER PRESS
レポート

2023年12月8~9日にかけて、今年は西方面のお客様にリアルPLOTTERをお楽しみいただくべく、ポップアップストアイベントを開催。

大阪のど真ん中に位置する桜ノ宮活版倉庫(SAKURANOMIYA LETTER PRESS)のドアをノックしてからほぼ1年の時を経て実現したPLOTTERらしいコラボレーションポップアップは二日間とも大盛況のうちに終わった。

仕事場と工房が融合したような臨場感溢れる会場は、ステーショナリーフリークを、そして紛れもなくPLOTTERユーザーを熱狂させるコンテンツで満載だった。

その場に一歩足を踏み入れると、懐かしいインキの香りが。歴史の重みを感じる巨大な活版印刷機が2台鎮座し、その傍らにはいわゆる元祖プリントゴッコ的なハイデルの手動レタープレス機が並ぶ。今回の目玉体験のひとつ「木版ディバイダー作り」ではこのハイデルの2機が大活躍。滅多にお目にかかれないブロック体の木版を思い思いに組版して、その場で仕上げる自分だけのディバイダー作りを存分に楽しんでいただけただろうか。さすがPLOTTERユーザーの考えるワードは多種多様。いつも作り手側を刺激してくれる。

それにしてもSAKURANOMIYA LETTER PRESSのプロダクトはとても魅力的。その秘密は、手作りの温かみの中に研ぎ澄まされた美しさが潜んでいるからだと私は思う。コラボで生まれた「リフィルパッド」のヘッドバーは極厚のボール紙にも関わらず、拘りの活版印刷とアンティークなビスがこの小世界を素敵に演出。A5サイズの6穴リフィルをあえてバリバリと破る楽しさを与えてくれた。

そして、自分で作る「自分で組み立てる活版カレンダー 2024」は紙の色合いも風合いもデザインも非の打ち所がなかったので、端に少しだけPLOTTERロゴを置かせてもらう程度でコラボプロダクトは完成。今回惜しくも手に入れられなかった方は、ぜひSAKURANOMIYA LETTER PRESSのオリジナルカレンダーを楽しんでいただきたい。

工房の壁に所狭しと並んだ活字版は圧巻。あらためて歴史ある印刷の技術が紡いできた物語に想いを馳せる。昔の技師たちはこれを一字一字組み上げて印刷物を製作してきたかと思うと畏敬の念を覚える。

その他、もちろんポップアップのアイコン体験である「レザーバインダーカスタマイズ」は引き続き健在。気合が入った今回も珠玉のレザーセレクションとなった。北米で人気を博したクロムエクセルの色違いは国内も同様一番人気だったり、プエブロの後を追随するイタリアンスクラッチショルダーは、一枚革のバインダーのためにあるのでは?と思うほどに、その質感と色合いには文句のつけようがなかった。

リングは惜しくもシルバー統一となって久しいが、その分本場クラウゼの間違いのないハイクオリティーは手堅くキープ。その開閉動作や面取りの美しさ、メッキの輝きも含めてやはりパーフェクト。メタルカラーは、バックプレートで存分に楽しんでいただくべく4色をラインアップ。今回はブラックとピンクゴールドが売り切れるほど。

オリジナルポップアップを年一回開催するようになって早5年。今回も自分だけの思い出の1冊と出逢っていただけたとしたら幸甚の至りである。